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「HACCP」の義務化がついに昨年(2018年)、改正食品衛生法の改正・公布により決定しました。このことは、全国の中小食品製造業に関わる企業の皆様にとっては大きな変化の一つなのではないでしょうか。
HACCPを実施する目的とは
まず、HACCPを取得できたとして、果たしてどのようなメリットがあるのか?取得した時のメリットは、「ただ義務として課せられ面倒事が増える」、という事ではありません。早々に着手し導入実施すればその先には今後の「ビジネスチャンス」があります。
既にHACCPを取得した党組織のコンサルティング先企業様が、「HACCP」を実施導入し得られた効果は様々ですが、共通する項目は次の3つです。
売上アップ
- HACCPプランの資料と現地を見てもらい基幹事業であったこだわり商品への商品企画依頼が増え「シェア集中」が加速した
- 大手企業様からの「OEMでの企画と商品化案件」の受注や、公共施設案件の受注が得られた
- その後新しい高齢者市場開拓にもかかわらず「新規の商品開発・展開」がかなった
収益性アップ
- マニュアルの整備とルール化、明確化等が整い「作業効率」の向上
- 衛生管理力向上による工場多毛作化の実現=「稼働率」の向上
人材力アップ
- 仕組み化が進むことによって属人的な「職人芸」体制から脱却、組織の若返り化
- 定期会議(HACCP会議)等を含む、従業員教育体制が整うことによる人材育成力(メンバーが皆「HACCP脳になった)、定着率などの向上
「HACCP義務化」は法律の要求ですが、認証を取得することによって得られるメリットは企業の目的そのものです。メリットがあれば、デメリットもあります。しかし、デメリットと思っていることには勘違いもあります(『Q&A』を参考にしてください)。
ここで、勘違いしてはいけないのが、HACCP手順は高度な管理手法ではなく、最低限の安全性を保障するための手順です。やっていて当たり前なので、できていないことそのものがリスクです。HACCP手順を行っていないことにより、取引を打ち切られてしまう危険性があります。
改めて食品衛生法改正の要点を確認する。
今回の食品衛生法の改正を発端に、これから食品事業者への対応が求められる姿には、HACCPに沿った衛生管理の制度化を筆頭に、食品による健康被害情報の収集、食品用器具・容器包装の衛生規制の整備、営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設、食品リコール情報の報告制度の創設などがあり、具体的な内容は今後ますます進められ問われる時代がすぐそこにあります。そしてHACCPに沿った衛生管理の制度化については、すでに具体的な内容が定められており、「すべての食品等事業者が衛生管理計画を作成する必要がある(HACCPプランのこと)」とされております。
HACCPを導入するにあたっての課題や問題点には、どのようなものがあるのでしょう?
大きく2つが考えられます。
まず1つ目は、一般的衛生管理が実施できているか、ということです。
食中毒や異物混入などの食品事故の原因を調べると、「一般的衛生管理のルールが構築実施されていれば防げたもの」とされるケースが主です。すなわち、「施設の設備や調理器具の衛生管理、食品を扱う従業員の健康管理及び衛生管理を確実に実施する」ことが必要なのです。この一般的衛生管理の上でのHACCPを導入実施しなければなりません。
2つ目はHACCP導入実施において、会社全体で同じ意識を持って取り組めるか、ということです。HACCPチームだけが高い意識を持って取り組んでいても、他の従業員の意識が低ければ不具合が発生することは避けられません。
では、全体が同じ意識を持って取り組むためにはどうすれば良いのでしょう?
それは、まず経営者がHACCPを導入する目的、そして強い意志を持って全従業員に対し明確に宣言することです。HACCPができることでなにが今後変わるか、その意味とゴールを明確に伝えてあげてください。その経営者の意志と姿勢とで会社全体が同じ意識を持って取り組むこと。それが先ずHACCPへのスタートラインなのです。
改正のポイントは以下の通りです。
「HACCPに沿った衛生管理」だけではなく、様々なルールが追加されています。HACCPばかりに気を取られず、全てにおいて準備が必要です。しかし、細則である食品衛生法施行規則がまとまっていないので、その制定を待ちましょう。
詳しくは、DO HACCPの経験豊富なコンサルタントに聞いてみてください。
簡潔に言い表すと、HACCPは「施設」ではなく、「システムの運用」です。このシステムを上手に運用することは、内部組織やチーム活動での、コミュニケーションの向上や技術力アップにつながり、マネジメントシステムを加えていくことにより、着実な品質的レベルアップをもたらすことは必須であり、企業の信用に繋がりが生まれます。衛生管理のグローバル化は、製品サービスの更なる品質向上、新たな販路の開拓へと開けます。今後も更なる成長を目指される前向きな経営者様には、ある意味「必要必然」と捉え、これからのビジネスチャンスに繋げていく契機としていただければと思います。