Q&A
HACCPは建物や設備へのハードウェア的な要求があります。しかし、その要求に対して高価な機械類や建物への工事が必要とは限りません。HACCP手順の運用で合理化が必要な場合は、機械類の導入も手段の1つですが、HACCPはエアシャワーも金属検出器も要求していないのです。まずは自社工場に必要なものは何かを考えることによって、無駄な費用をかけずにHACCP導入することができます。
では、なぜ費用が掛かると思われてしまうの?
本来は食品関連企業が完成していなければならない一般衛生管理が未完成の場合、その設備に費用が掛かってしまうのです。一般衛生管理が十分できていればHACCP導入のために高額な費用が掛かることはありません。
一般衛生管理が十分できている工場であれば導入にかかる時間はさほど掛からないかもしれません。しかし、一般衛生管理が不十分で雑然とした工場であれば5S活動から始めなければならず自ずと時間が掛かってしまいます。
まずは、自社工場の現状を把握して、「いつまでに導入したいのか」目標を決めてみてください。
HACCPに限らず、ISOをはじめとする民間認証や、食品衛生法などは難解に書かれているので理解することが難しくなっています。そのために、実施することも難しいと思われてしまっているのではないでしょうか?HACCPを正しく理解するまでは専門用語が出てきたりと、少し難しく感じてしまうかもしれませんが、食品安全に必要な考え方や視る目を持っていれば実施することは決して難しいことではありません。
HACCP導入するメリットとして良く挙げられる例として…
・クレームやロスが下がり、品質のばらつきが少なくなった
・取引先からの評価が上がった
・衛生管理のポイントを明確にして、記録も残すことで、従業員の経験や勘に頼らない、
安定した安全な製品が作れるようになった
・工程ごとに確認すべきことが明確になった
・従業員のモチベージョンが上がり現場の状況が把握しやすい
※ご存じですか?HACCP リーフレットより(厚生労働省)
とたくさんのメリットが挙げられています。
平成26年12月31に厚生労働省で実施されました、HACCPの実態調査での既にHACCPを導入済み又は一部導入している施設で感じている導入のメリットとして、多くの施設がメリットを感じている結果となっています。
HACCPは金属検出器やエアシャワーを必要としているものではなく、安全な食品を製造するための衛生管理手法です。そのため、古い設備、施設だから取得できないということは決してありません。古い設備であっても、一般衛生管理がきちんとされていればHACCP導入・取得することができるのです。
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